Booking.comがアクティビティ市場に参入した理由

少し前になるが、Booking.comが「Booking Experience」というアクティビティ予約ができるアプリをテストしはじめたというニュースがあった。

ブッキング・ドットコム、旅先のアクティビティ予約アプリを公開、個人向け「おすすめ」情報など地域限定で | トラベルボイス

宿泊予約サービス「ブッキング・ドットコム(Booking.com)」がこのほど、旅行先でのアクティビティ予約ができるスマホアプリサービス「ブッキング・エクスペリエンス(Booking Experience)」のテスト運用を開始した。オランダ・アムステルダム市内のほか、2016年7月中にはパリ、ロンドン、ドバイで、秋にはニューヨークでテスト運用を予定しているという。 新サービスの特徴は、利用者個人にあったカスタマイズ性と、他社サイトに誘導されることなく、ブッキング・ドットコムアプリで即時予約が完結する点。カスタマイズツールを利用すれば、位置情報や他のサイトからの情報(待ち時間など)を集約して、利用者向けのおすすめ情報を受け取ることができきる。 また、アプリで発行されるQRコードを使うことで、市内の観光スポットやアクティビティがすぐに予約可能に。事前にチケットを購入する必要などがなくなり、現地に移動してからでもスムーズに予約できるようになった。 将来的にはAI(人工知能)や機械学習機能も搭載し、利用者の興味・関心に合わせた提案や行動予測にも対応する計画としている。 同アプリの画面イメージは以下のとおり。 ブッキング・ドットコム:報道資料より

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Booking.comはこれまで宿泊予約ひとすじで事業を展開してきており、サイトを見ても下の方に申し訳程度にグループ会社のリンクが設けてあるぐらいで、世界最大の旅行予約サイトであるExpediaのような総合的な旅行予約サイトとは一線を画してきた。


そこで宿泊の次に手がけるのがなぜアクティビティツアーなのか。


Booking.comは各国に仕入れの支社を置き、多数の仕入れ担当者を保有している。ホテル以外にも民泊の施設などにも手を広げており、到着地の受け皿を増やしている。これらの宿泊の仕入れ担当者を利用して現地のアクティビティ業者の仕入れをすれば既存のリソースが利用でき、シナジーがあるのではないかと推測する。

また、海外旅行と旅行先でのツアーやアクティビティは親和性が高い。ユーザーが宿泊予約と関連性をもって利用する可能性が高い。

関連性という意味では必ず利用するという意味で航空券のほうが親和性は高い。ただし、航空券は販売の利幅が非常に小さい。

一方のアクティビティは同業のViaterやGetYourGuideのコミッション(手数料)を参考にすると20〜30%と非常に高い商材になっている。また、旅行期間中に複数回、複数人が利用することが期待できるため、利幅が大きくなるのではないかと推測される。


1.既存のリソースを利用して商品仕入ができる

2.Booking.comユーザーの利用親和性が高い

3.利幅が大きい

このあたりが宿泊の次にアクティビティ・ツアーを手がけることになった理由ではないかと推測する。


日本でもアクティビティや現地ツアーの商材を自前で集め始めたら海外からのトラフィックがある以上脅威的だ。一方で日本のプラットフォーム事業者としてはBooking.comに売り込むチャンスでもある。既に動き始めているのだろうか。


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