Ctripがスカイスキャナーを買収した話
11月に中国最大のOTAであるCtripが航空券を主としたメタサーチであるSkyscannerの買収を決定した。買収総額は約14億ポンド(日本円で約1960億円)。
以前書いたようにCtripは中国最大のOTAであると同時にメタサーチであるQunar(チューナー)もグループにあり、1位2位をCtripとQunarで占め、その両サイトでのシェアは中国内で6割を超える。3番手につけるAlitripをのぞけば中国では脅威を感じないほど圧倒的な存在だ。
出典:China Online Travel Market Overview for Q1 2016
一方で世界市場を見ると、世界のオンライントラベル業界はプライスライン(Priceline .com、Booking.com、Agoda、KAYAK、OpenTable等)とエクスペディア(Expedia、Hotels.com、トリバゴ、Orbitz、Travelocity、Home Away等)の2大グループに支配されているといっても過言ではない。
そんな状況のなかでの今回のCtripによるSkyscannerの買収は、中国国内やインドでの買収の動きが多かったCtripが初めて世界的なサービスを手に入れるという世界進出に向けての第一歩と感じるし、2大グループの決定的な支配に「待った」をかける一手と見ることもできるように思う。
Ctripにもプライスラインの資本が少し入っているので、プライスライングループとしての動きなのかCtripとして独立した動きなのかにもよってだいぶ状況は変わってくるが、今後世界市場でのCtrip独自の動きが増えてきたときに第三極としての存在感が見えてくる可能性はあるだろう。それぐらい大きな一手になると考えられる。
それにしても、金額的にも上場したリクルートが手に入れていてもおかしくはなかったと思うが、中国の企業が先に手に入れた。日本のOTAはどんどん置いてけぼりにされてしまっている感じは否めない。残念だ。
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