旅行計画領域事業の難しさ


最近NAVITIMEトラベルのニュースを見かけることが多いが、旅行計画領域を軸に旅行商品の販売へつなげようとしているように見える。

ナビタイムが旅行事業を加速、多言語の予約アプリを公開、グローバル展開へ | トラベルボイス

ナビタイムジャパンは2017年9月22日、旅行予約サービス「NAVITIME Travel(ナビタイム トラベル)」のスマホアプリ版を提供開始した。同時に、日本語だけでなく英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語の5言語にも対応する。 このアプリは、行き先を選択することで自動的に旅行プランが作成できるのが特徴。国内外旅行商品の予約や旅行関連記事の閲覧も可能だ。これまでウェブサイト版で同じサービスを提供してきたが、スマホ向けに特化したアプリの提供で、タビナカの旅行者がより便利に利用できるようになった。 また、同じアカウントでログインすれば、ウェブサイト上で作成した旅行計画をスマホで閲覧・編集することも可能。アプリで行きたい観光スポットの追加・削除、滞在時間の変更、ウェブサイトで予約した航空券の情報をアプリで確認することもできる。 なお、アプリの提供や多言語対応にともない、サービス名称をこれまでの「NAVITIME トラベル」から「NAVITIME Travel」に変更。今後、グローバルな展開を進める考えだ。 アプリの画面イメージは以下のとおり。 ナビタイムジャパン:報道資料より ナビタイムジャパン:報道資料より  

トラベルボイス

旅行計画領域はスタートアップの参入なども多く、利用者のニーズはありそうなものの、マネタイズ方法がうまく見いだせず単体事業としてうまく成り立っていない領域と言えるだろう。

Google tripsのように、Googleが進めている検索上での予約の仕組みからいずれその予約履歴としての検索サービスの補完として存在しそうなものや(はたまた大企業の実験的なサービスとも言えるか?)、ExpediaやKayakのように予約後の自動旅程表サービスなど、予約サービスを使ってもらうための便利機能としてのあり方が一般的だ。


いわゆる旅程表のようなサービスではないが、タビナカや計画のサービスでもっとも成功したのはTripAdvisorであることは間違いないだろう。

そのTripAdvisorですら最近は旅行計画というよりは予約サービスであることを打ち出しているように見える

なぜ予約サービスになろうとしているのかは、こちらの記事で書かれている事に尽きるが、サプライヤーとの直接取引と比較して、広告モデルやアフィリエイトではその内のりでの対価(二次手数料的)となるため、収入の絶対額は減ってしまう。さらなる収入をあげようとすれば直接取引へ向かうしかないのだ。

結論としては、TripAdvisorは「アフィリエイト(送客)ビジネス」であるのに対し、Expediaは「トランザクション(取引)ビジネス」であり、その違いが4倍もの売上規模の差につながっていると言える。

ただし、利用者からすれば観光情報を得ようと思って来訪している人が多く、そういう人は予約しようと思ってTripAdvisorに来訪している訳ではないだろうから、うまく意識転換させるまではCVR(来訪者のうち予約に結びつく転換率)は低いものになってしまうことが予測される。


NAVITIMEトラベルはまだそこまではたどり着いてはおらず、まずは旅行計画サービスのスタンダードとなったうえで旅行商品販売につなげていこうという目論見と考えられるが、一度計画サービスとして認識されてしまうとなかなかCVRを上げるのに苦労はするだろう。単独事業の成立としては長い道のりとなりそうだ。

本体のNAVITIMEと同じモデルだと考えれば旅行計画領域を定着させてから有料会員モデルに進むことも考えているのかもしれない。

いずれにせよNAVITIMEトラベルがこの領域の難しさを乗り越えることができるか注目したい。



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