旅行サイトクーポン&ポイント戦争

旅行サイトのクーポン&ポイント戦争がますます加熱している。

一昔前は楽天トラベル一人がポイントで気勢をあげていたが、ヤフートラベルがTポイント、じゃらんがPONTAと組み、共通ポイントに乗り出してからは各社どんどん勢いが出ている。


もともとポイントが十八番の楽天トラベルは楽天に会社としても統合され、よりシナジーを生むようになっていくだろう。

楽天市場はヤフーショッピングの対抗か、本日よりポイント7倍を常時開始し、さらにポイントに加速をあげている。ポイントではじゃらんの2倍、ヤフートラベルの5倍に差を広げられている楽天トラベルも市場に追随するのだろうか。

クーポンのほうもすごい。

今年は地方創世予算が大盤振る舞いでふるさと割やふるさと旅行券が盛り上がったのもあり、クーポンなしで旅行することがばかばかしくなっているのではないだろうか。


じゃらんを見るとポイントはもちろんのこと、さらに上回るクーポンだらけ。

ホテル予約だけではなく、レンタカーもアクティビティも保険でも(笑)。

このサイトのデザイン感覚はすごいなと思えるが、どのコーナーを見ても両脇にポイントかクーポンの派手なバナーがずらり。

ヤフートラベルも有料のプレミアム会員限定だが、5000円クーポンをふるまっている。

大手だけではない。

スタートアップのReluxも積極的にクーポンやポイントを展開している。


大手2社を並べて見てみると楽天はクーポンよりもややポイント寄り。

じゃらんはクーポン寄りに見える。


楽天ポイントのメイン消費場所が楽天市場や楽天トラベル(自社)なのに比較して、じゃらんが使っているPONTAのポイントのメイン消費場所はおそらくローソンなどリアルが主流だろう。

その場合、PONTAポイントを付与してもじゃらんに戻ってきてくれなくなる。PONTA経済圏から人は取り込めるものの、じゃらんへの囲い込みができない。

そういう理由があってじゃらんは現在もリクルートでしか使えないポイントをキャンペーンで付与しつづけているのではないかと推測される。

PONTA経済圏から来たポイント感度の高い人にリクルート利用限定のポイントを付与することで定着させる戦略だ。

ただ、それだと結局汎用性の高い共通ポイントではないので、利用者も魅力を感じない人もいるのではないか。

そこで利用者から見ると出て行く現金が少ないクーポンが多用されている。

じゃらんにとってもクーポンはじゃらんでしか使えないわけだから囲い込みには利便性が高い。

共通ポイントと組んでポイント市場が盛り上がってきたのにも関わらずクーポンの勢いが増している理由はそんなところだろう。


しかしクーポンは複数枚の併用ができないところが多い。

ポイントの利点は貯められるところ。ポイントは1回にもらう金額は少なくても何回かそのサービスを利用しているうちに貯めてロイヤリティを養うことができるが、クーポンは50円とかもらっても併用できないので旅行では魅力が薄い。


他社でも使える共通ポイントが隆盛になってくると、旅行サイトとしては自社で囲い込むことができるクーポンに軸足を置きはじめる。そのうち利便性を求めて貯められる併用クーポンとかバウチャー式の回数券クーポンが出てきてもおかしくない。

そこからさらに発展して将来的に共通クーポンなるものが出てきて囲い込めなくなってきたらこれは笑い話のようだがさてクーポンとポイントはどう発展していくのか。旅行サイトの販促手法の未来としては興味深い。

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