海外OTAの躍進と劣勢の日本OTA

インバウンドの増加とともに海外OTAの日本における存在感、勢いが増している。

日本人の国内宿泊者は減少、海外旅行者も減少するなかで、訪日外国人は増加の一途をたどる。

日本の観光産業にとっては観光立国になる千載一遇のチャンスが到来している。

海外OTAは日本に営業拠点を次々に設け、ホテルやアクティビティ業者などの契約をどんどん増やしている。

その一方でいまいちその波にのれてないのが日本のOTAだ。


インバウンド需要を充分に享受するにはホテルなどのサプライヤーとして旅行客を迎えるか、海外OTAのような現地の人が利用するメディアや、パッケージツアーを取り扱うエージェントとして旅行客を送り出すかが主な接点だが、日本のOTAはそのいずれの商材も接点ももっていない。


もちろん各社それぞれインバウンド施策は実施しているものの、思うように伸びていないというのが正直なところだろう。日本の枠にとどまっている限りこの波にはいつまで経ってものれないはずだ。


日本のOTAのサービスは基本的に国内のサービスと海外のサービスと分かれていて、かつ管轄している部門も異なる場合がある。

一方でBooking.com、Expedia、Agodaなどの国を越境する大手海外OTAには国内や国外といった概念もない。したがって利用者が国内旅行をする際も、海外旅行をする際も、現地で何かをする際も常に同じ体験を提供することができる。これは非常に強い。

現地に進出し、ここの構造を日本OTAも変えていかないとどんどん置いていかれる。


同じ考えでいけば中国最大のOTAであるCtripはいまは中国国内旅行かつ海外に送り出す需要が大きいため、当分のあいだBooking.com、Expedia、Agodaは太刀打ちができないだろうが、中国が旅行者を迎え入れるフェーズがくるとすればその時には同様に国際的なOTAに負けていく可能性がある。


これからどんどん苦境に立たされていく日本OTAが対抗できる日は来るのだろうか。




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