ofoとMobikeの日本進出

昨年の秋にドコモのバイク(自転車)シェアリング事業について書いたが、それから1年も経たないうちにバイクシェアリングの状況はガラリと変わった。

昨年の秋ぐらいから始まった中国でのバイクシェアリングブームの勢いは日本も襲い始めた。

実質的に1強であるドコモ1強であったバイクシェアリング事業はまさに元年を迎えようとしている。中国No.1のofoとソフトバンクのタッグ、中国No.2のMobike、フリマ事業で世界を目指すメルカリ、様々な新規事業を手がけるDMM、受託開発などを行っているサイブリッジと続々と参入を表明している。

中でもオンライントラベルlogとして注目したいのは中国で覇権を争っているofo(黄色い自転車)とMobike(オレンジの自転車)の2社の進出だ。

この2社は日本に限らず既に各国に手を広げており、世界のバイクシェアリングの支配企業になろうとしている。

早くから始めていたドコモのバイクシェアは自転車を現時点では4200台を所有しているが、Mobikeは500万台を運用しているという。その差1000倍。規模が違いすぎる。

中国企業は恵まれた投資環境にあり、豊富な資金で事業のロケットスタートが可能だ。ofoもMobikeも今年それぞれ7億〜8億ドルという巨額の資金調達をしている。2社への資金援助の中心にいるのは中国の2大IT企業であるAlibaba(ofoに出資)とTencent(Mobikeに出資)だ。AlibabaとTencentは様々な事業に巨額の出資をしまくっている。

このような背景から、ofoもMobikeも日本勢とは資金力が桁違いである。彼らが本気で上陸してきたら日本のサービスはひとたまりもないことになるだろう。そういった意味でこの2社が日本市場でも他を圧倒する可能性が高いと思われる。


また、この2社の進出はインバウンドの観点からも興味深い。

日本人からするとメルカリやDMM、以前からあるドコモのバイクシェアなども使うのだろうが、中国人観光客はどうだろうか。

年々増えている中国人の訪日観光客だが、彼らが中国で使っているサービスがアプリから決済方法からそのままの形で利用できるとしたら必ず使うだろう。

今後中国からのインバウンドが増えてくるにつれ、このような中国企業やサービスの日本進出は進んでいくに違いない。旅行する中国人はそのまま進出先の顧客にもなりうるからだ。見込み客がいることはリスクが低減するのに加えて、同時に日本人向けのビジネスにもなるとくればうまみがある。

そのような状況になれば日本に最先端の中国企業や中国サービスが当たり前にある世の中になる。今回の進出を端緒に日本社会の環境変化にも大いに影響を与える可能性もあるのだ。

考えが飛躍しすぎかもしれないが、それぐらい今回の中国サービス2社の進出には注目している。


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